アメリカでの就職/転職

今でこそ米系の教育系NPOのIT部門で働いているものの、アメリカに仕事としてやってきた当初はビザの関係もあって日系のIT系企業だった。

アメリカに来る前は同じ会社のオランダにある支社で働いていたのだが、大学生時代をアメリカのロサンゼルスで過ごした自分にとって、どうも水が合わずに2年弱で逃げ出したというのが実情だったりする。

その後、運良くその会社でグリーンカードをサポートして貰い、晴れてアメリカ永住者となったのが今から10年以上前の話である。

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アメリカで就職を希望する人はそれなりに多いとは思うが、やはり一番のネックになるのがビザの問題であろう。

専門的なスキルに対して発行される所謂労働ビザのH-1bビザは年々審査基準が厳しくなっており、アメリカの大学を出たとしても余程の優れたスキルを持っていない限りは、取得するのは非常に困難となっている。

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特にこれを拍車をかけているのが、H1-bキャップと呼ばれる年間におけるビザの発行制限数で、4大卒は一番この枠が狭い(修士卒以上には別枠がある)。

でもってこの年間発行制限数に達したらどうなるかというと、そこは抽選になる。

つまりどれだけ実力的に優れた人材であっても、最後の最後は運頼みなのだ。

その運に関しても、インドや中国の会社が下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる理論で大量に自分達の社員に対して申込みを行うため、日本人が単発で申し込んでもますます当たりにくくなっている。

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アメリカにおいて2回ほど米系企業へと転職を経験している身から言わせて貰うと、最も転職(就職)に役立つものはと言えば、身も蓋もない言い方だが「コネ」と「職歴」であろう。

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「職歴」は分かるとして、なぜ「コネ」なのか?

アメリカの人事部にはそれこそ毎日の様にレジュメ(職歴書)が山の様にe-mailで届く。

人事の人間は届いたレジュメ全部に目を通すほど暇ではない。

ではどうしているかというと、専用のフィルタリングソフトを入れておいて、それが申込者の職歴や経歴がマッチしている候補だけが選別される仕様になっている。

つまり「コネ」が無いと、余程その会社で求められている様な人材でない限り、人の目に触れる事なく自分の申し込んだレジュメは自動でゴミ箱行きという可能性が圧倒的多数なのである。

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運良くレジュメの選別を通り抜けたとして、次に待ち構えているのがジョブインタビュー、所謂面接である。

相手の会社に呼びつけられる場合もそれなりにあるとは思うが、一番最初のスクリーニングとして人事かあるいは直属の上司となる人物からの電話によるインタビューなどが行われる事も多い。

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運良く電話インタビューをパス出来ると、実際に顔を合わせての面接に進む。

ちなみに今の会社に入る時には、全くコネがなかったので、全て正攻法で挑む事となった。

特にNPO系というのもあって、通常以上にインタビューに費やされた気がした。

実際に行われたインタビューを列挙すると以下の通りとなる。

 

1. 人事部との電話でのインタビュー

2. 直属の上司との電話でのインタビュー

3. 直属の上司と実際に会ってのインタビュー

4. 直属の上司のマネージャーとのインタビュー

5. カウンターパート部門の人とインタビュー

6. 部門長とのインタビュー

7. 人事との最終インタビュー

 

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実際はここまでインタビューを実施する事は稀だと思うが、それでも少なくも電話プラス面通しを入れて2回は行うという所が多いのでは無いかと思う。

 

 

アメリカで就職を希望する人はそれこそ世界中にいるものと思われる。

自分の職種はIT系だが、同僚には圧倒的にインドの人や中国の人達が多い。

一つのポジションに対して、全米にいるアメリカ人達だけでなく、そういったインド系・中国系エンジニア達と少ないパイを奪い合い、勝ち残って行くだけの実力が求められる。

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実力に見合わなければピンクスリップ、つまりは人員整理が待ち受けている。
(ピンクスリップ: 諸説あるが、人員整理通告にピンク色の紙が用いられたいたから)

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アメリカの企業においては、会社の業績次第である日突然自分のポジションが無くなる事なんかザラにある。

ただこの国は良くも悪くもセカンドチャンスの国でもある。

それこそ一度くらい人員整理を経験してようやっとアメリカで一人前くらい思っておいた方が良いくらいかも知れない。

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